こんにちは.
この文章にたどり着いたということは,あなたも何者かになりたかった,
もしくは,なろうとしている途中と見受けられます.
この文章は,ためになるものでも,あなたを何者かにするものでもなく,
ただの私の吐き出しであります.
書き散らしというのが,正しいかもしれません.
ご興味のある方のみ,読んでいただければいいかなと思います.
私は,生物系の大学3年生で,今この瞬間にも進路で悩んでいます.
院に進学するか,就職するか.
理系の大学生の方であれば,だれもが一度は悩む分岐点だと思います.
なにせ,この選択によって
人生が大きく変化すると言っても,過言ではないのですから.
大学生になりたてのときは,なんとなく院に進もうかな,と思っていました.
就職に有利だから,とか
専門的な知識を身に着けたいから,とか
そんな計画性からくるものではなく,
「研究をしたい」
という漠然とした,純粋な思いからです.
研究がどのようなことをするのか,
内容も知らずに,研究をしたいと思っていました.
だって,かっこいいじゃないですか.
「研究してます」
って.その響きがもうかっこいい.
アニメでも漫画でも,現実世界でも,
世界を変える最先端にいるのは,
いつも研究者です.
学部三年生になり,卒業研究が始まりました.
最初はとても楽しいのです,
無知ですから.
研究が進むにつれて,だんだんと分かってくるのです.
研究が思い通りにいかないことの方が断然多く,
自分の技能が足りないばかりに,
先生に落胆されてしまうこと.
自分にがっかりすること.
他者と比較してしまうこと.
しかし,それはまだよいのです.
努力をして,改善していけば,誰かはそれを見ていてくれます.
口に出してほめてもくれます.
自分の成長を感じることができ,幸せすら感じます.
では,どこがつらいかというと
論文を読むこと,仕事量が増してくることです.
論文は,調子が良いときは,すぐに読むことができるのですが
モチベの上がらないときは,どうしても頭に入ってきません.
英語で書かれたものがほとんどですから,
翻訳サイトを使ったとしても,違和感のある所は
自分の頭で訳す必要があります.
私は英語が苦手ではありませんが,
論文に出てくる英語とは,専門用語や学名だらけの
非常に読みにくいものです(私のような初心者にとっては).
時間が何とかしてくれるさ,
と思っていますが,今のところ時間は何とかしてくれていません.
多分,もっと修業を積む必要があるのです.
次に仕事量の多さですが,
自分の研究,論文紹介,授業,共同研究…と
非常に忙しいです.
私は趣味をたくさん持っているので,
休日を返上して研究するぞ!
という熱意はなく,暇さえあれば他のことをしていたいのです.
しかし,こう忙しいと,
休日に大学に行くのは普通のことになっていきます.
趣味に時間を費やしたい,という思いはずっと持ち続けているので,
趣味に時間を割くことができず,進まない研究に時間を吸われるストレスと戦いながら
研究に打ち込むこととなります.
研究も楽しいんですけどね,ゾーンに入れば.
入れなかったら終わりです.
実験材料に愛情はありますし,自宅でも飼育しているほど熱があります.
だけど,研究ばかり,無理なもんは無理なんだよー,って時があります.
結構つらい事,多いんです.
良いことだってありますけどね.
世界でまだ誰も知らないことを
私は解き明かそうとしているんだ,という
大きなわくわく感があります.
もしかしたら,私の研究で世界が変わることがあるかもしれない.
ちっぽけな研究成果だとしても,誰かの役には立つかもしれない.
卒業論文だから,そんなことは夢ですらないかもしれないけど
言い知れない,大きなロマンがあります.
就職すれば,2年早く働ける.大学院に進学すれば,2年長く研究ができる.
就職すれば,2年早くお金が入って,社会経験が積める.進学すれば,2年お金を費やして,優秀な人と研究ができる.
就職すれば,自由な時間が手に入る.進学すれば,ひどく忙しくても,充実した時間が手に入る.
比較しているように書きましたけど,比較できるようなものでもないのです.
それぞれにはそれぞれの価値があること,わかっています.
私は,就職を選ぼうと思います.
大学院はお金を払っていく場所です.安くない金額です.
大学院卒の方が給与が高くなる,なんていいますけど
ちっぽけな差だと私は考えます.
大学院進学するための
明確な,強い目的が私にはないのです.
世界を変えられるかもしれない,なんて言っておきながら
どうしたら世界を変えられるかがわからない,
思いつかない.
そんな人間に,大金を払って大学院へ行く価値があるでしょうか.
天秤にかけたときに,明らかな偏りが,私には感じられました.
意思を持って就職するのではなく,
意思がないから就職するのです.
何者かになりたかったな
働いてからでも遅くない,むしろこれからだ,なんで声が聞こえますが
私は自分の研究で,何者かになりたかったのです.
研究者,とか,開発者,とか
そういった何者ではなくて
この世界に新しい進歩をもたらした何者か,です.
私は足る人間ではなかった,と,思います.
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